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鳥の編隊飛行から学ぶこと
鳥は1羽なら勝手気ままに飛んでいます。それが10羽も集まると見事な編隊飛行を見せてくれます。この生き物のような全体性がどうようにして生まれるのか、研究された方がいます。
相当なコミュニケーション能力を持っていて、すごいメカニズムが存在するのではと、コンピューターを使って、シミュレーションしたそうです。
全体とコミュニケーションするようにプログラムを組んで、いろいろ試してみたが、うまく編隊飛行が再現できない。試行錯誤を繰り返すうち、もしかしたらもっと単純なルールがあるのでは気づいたのです。
鳥は全体のことなんか考えていないのではないかと。そこでプログラムを組み直し、単純な3つのルールを決めました。
1. 群れの方向に飛ぶ
2.近くの鳥とスピードを合わせる
3.ぶつかりそうになったら離れる
これだけです。
単純な3つのルールをプログラムして、コンピューターの中に10羽の鳥を入れたら見事な編隊飛行が生まれたのです。
このことは、個と個の単純な関係性が繰り返されれば、調和の取れた豊かな全体性が生まれるという原理を示唆しています。
地域のコミュニティを考えた時、まさしく同じことが言えるのだと感じます。
2日間にわたって建物見学会を行っている「小荒間の家」
小さな地区ですが、豊かなコミュニティが生まれています。
本当に大事なことに気づかされます。
※ 鳥の編隊飛行のことは、世田谷で「経堂の杜」を実践された甲斐徹郎さんの
「自分のためのエコロジー」という本で知りました。
この話には続きがあり、この「小荒間の家」にほど近いところに暮らすアイアン作家の
上野さんご家族の家は、10数年前に甲斐さんがコーディネートをされたのです。
(上野さんは八ヶ岳の作家さんらのまとめ役のような存在で、毎年秋に「オープンアトリエ」
を企画されています)
目的地と方向
長年、住宅の仕事をしていて思うことがあります。
建築家とお客様が見ているものの違い。
おそらくお客様と同じ目的地を見て、仕事をしていたのではプロとは言えないのでしょう。
お客様が見ている目的地の少し先、想い描いているイメージの少し先をカタチにする力。
それがプロに求められていることなんだと、最近いろいろな場面で感じています。
少し先、そのさじ加減が難しいですね。
あまり先まで行ってしまっては、
そのお客様にとって心地いい家にならないかもしれません。
どんなことにも言えるのだと思いますが、完璧はないのでしょう。
その時の力量で自分が完璧だと思う仕事をして、そこから再びいいものを目指して
イノベーションを起こしていく。
日々精進ですね!
“言いだしっぺ” の野池政宏さんは「住まいと環境社」の代表で住宅におけるエネルギー消費のあり方に関心を持ち、住宅建築や住宅での暮らし方について調査研究、提案、アドバイスなどをされていらっしゃる方です。
この運動には、小澤建築工房が参加している「協同組合 もくよう連」が協賛しています。
何冊かの著作もあり、「じっくり派のための家づくりガイド①断熱・省エネ編」という本は、10数年前に読んだことがあります。
1985年と言えば、小澤工房が創業して3年目、 ソーラーハウス1棟目となった奥村まことさん設計の “小荒間の家” ができる前年です。
奥村先生の小荒間の家から25年、すでにご案内しておりますが、くしくも同じ小荒間で今月末に見学会があります。
25年の歴史、目に見えないつながりを感じられる見学会になることでしょう。
by hosoda
八ヶ岳の暮らし共創コミュニティ
八ヶ岳で暮らす多様な人たちと対話の場を作り、新しいコミュニティを共創して行きたいとの想いで、KEEP協会と協働で準備段階の対話が始まっています。
対象は八ヶ岳地域で暮らす人(居住者・就業者)。八ヶ岳地域の未来を真剣に考えている人たちとの対話から生まれるものを形にしていきたいと考えています。
小澤建築工房はこれまで八ヶ岳エリアで多くの住宅や別荘を手がけており、八ヶ岳を愛するOBのお客様も多くいらっしゃいます。ご関心のある方は、ぜひご連絡ください。 縁あって、私も対話の場に参加しています。
お問い合せ:oz-standard@cotton.ocn.ne.jp (細田)
パッシブデザイン〜暮らしの中の工夫
例年よりかなり早い梅雨入りでした。 今年は梅雨明けも早いのでしょうか。梅雨が明ければいよいよ夏本番・・・夏の電力不足が気にかかるところです。
暑さ対策の一つとしてグリーンカーテン(つる性の植物の朝顔やゴーヤで外壁の日射遮蔽を行う)が注目されています。巷では、つる性植物の苗や種が品薄だそうですね。ヨシズやスダレを活用されている家も増えて来ましたが、葉っぱからの気化熱を利用したグリーンカーテンの方が効果があるようです。
他には、ちょっと費用がかかりますが、小屋裏などの高いところに換気扇をつけるというもの。高いところに溜まった熱い空気を抜いてあげるのです。当社でも何件か工事をした家があります。(もともとソーラーとの連動型の換気扇や温度センサー付きの換気扇はつけているのですが、排熱という観点からいうと足りない場合があります)
既存住宅ではちょっと難しいですが、建築的な手法として、建物の設計段階で工夫するパッシブクーリングというものもあります。 地下の安定した温度の土や地下水を利用して、外気を冷やして室内に取入れる装置をクールチューブといいます。高温多湿な日本の夏では、結露やカビの問題もあり、コスト面も考えるとあまり実用的ではないようです。湿度の高い空気は、含まれる水分量が多いため(潜熱がある)、温度を下げるのが大変なのです。
純粋なパッシブではありませんが、最近は様々な除湿器も発売されているので、消費電力や能力を検討しながら、一部そういった機器に頼るのも一つの選択肢ではないかと思っています。
熱さ対策として、0か100の世界ではなく、建築的な工夫(遮熱、断熱、排熱、通風)+扇風機+除湿器というのも、ひとつのあり方ではと思っています。
また、OMソーラーシステムの涼風取入れは、夏の夜の屋根面からの放射熱で屋根の通気層の空気を冷やして、床下に取入れて土間コンクリートを冷やす(蓄冷)というもの。効果については地域性があるようですが、郊外の住宅ではそれなりに効果が期待出来ると感じています。今年の夏はデータを取って報告したいと思っています。
我が家も今年で丸10年を迎えます。OMソーラーの家に暮らして10年、暮らしの中で感じたこと、考えたことなどを今後発信していきたいと思います。
これから家づくりを考えている方に、何か参考になるところがあれば幸いです。
お楽しみに!
hosoda
協働〜普及に向けて共に歩む
昨年、「設計事務所とのコラボ〜ソーラーシステムの普及に向けて」のタイトルでこのブログに書き、設計事務所まわりなどをしていましたが、その時に蒔いた種が芽を出しそうです。
先日、八ヶ岳南麓在住の建築家の方からソーラーシステムに協働で取り組む任意の団体をつくりたいとのお話がありました。
もともと自然エネルギーの利用に関しては、関心の高い地域でありましたが、一社で取り組むのではなく、同じ方向を目指す人たちが、それぞれの得意分野を活かして協働し、新しい技術を研究したり、普及に向けて効果的に進めていきたいとの趣旨でした。
すでに、全国には様々な規模で、組合やネットワークを組んでの活動が行われています。パッシブデザインとは、日本語で言うと「他との協調のデザイン」であると思います。自然との協調だけでなく、同じ方向を目指す仲間との連携はこれから時代、ますます必要になってくることと思います。
弊社の方では技術サポートやセミナーの企画、組織づくりの世話人的な役割を担当する予定で、近いうちに関係者が集まり、具体的なアクションプログラムを創る予定です。
これから家づくりを考える方向けのパッシブデザインの連続講座や八ヶ岳南麓での小さなソーラービレッジの計画なども話題に上がっていますので、まわりにご関心のある方などいらっしゃいましたら、お声かけください。
概要が固まった段階で、あらためてご案内させていただきたいと思います。
hosoda
ブランシェ祭り〜好評イスづくり教室
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4年前にエステのお店とご自宅を建築させていただいたブランシェさんで5/28(土)に恒例のブランシェ祭りがありました。以前当社のイスづくり教室に参加された小宮山さんが作らたれイスをお店に置いておいたところ、お客から大変好評でリクエストがあり、今回のブランシェ祭りでの出張教室となりました。
当日はお花の先生もいらしてハーブの寄せ植えと共に、多くのお客様にお越しいただき、賑やかで楽しい1日でした。
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薪ストーブのメンテナンス
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八ヶ岳や富士五湖エリアを中心に薪ストーブを設置されているお客様が多くいらっしゃいます。
ストーブのメンテナンス(煙突掃除や本体の掃除など)については、使用状況により何年おきくらいに行えばいいかをアドバイスさせていただいています。
本日は、昨年春に新築したお客様のメンテナンスを行いました。1〜2年目に1回目のメンテナンスを行い、煤の溜まり具合やストーブの状態をチェックしながらその後のメンテナンス計画についてご相談させていただいています。
使い方で気をつけていただいたいのは、しっかり乾燥させた薪を使うこと。火を入れて最初のうちにダンパーを開けた状態で、ストーブ内の温度をしっかり上げることだそうです。温度が十分に上がらないうちに、ダンパー閉めてしまうと、煤が溜まりやすくなるようです。
薪ストーブのある暮らしを快適なものにするためにも、定期的なメンテナンスは大事です。メンテナンスにかかる時間はフルメンテナンスで、4〜5時間。費用は3〜4万くらいが相場のようです。
メンテナンスのご依頼、ご相談などありましたらお気軽にお問い合せください。
by hosoda
雑学と教養
内田樹さんの本に、「雑学は自分の引き出しにあったものを引っ張り出してくる能力で、教養とは自分のまだ知らないものへフライングする能力である」というようなことが書かれておりました。
家づくりにおいても構造とか性能をただお伝えするのではなく、それらのものを総合してどういう空間ができるのか、家族のお気に入りの居場所はどこなのか、まわりの自然との関係性がどうなっていくのか。そんなところを感じてもらえる提案や話ができるようになりたいと思っています。
by hosoda
ニュースは歴史になる
先日、TVで池上彰さんがおっしゃっていた言葉です。震災から2週間が過ぎ、毎日刻々と変わる被災地や原発の状況のニュースが飛び込んできます。これらはやがて歴史の1ページに記されることになるのでしょう。そういう捉え方をすれば、我々ひとり一人は、まさしく歴史の1ページをつくる場面に立ち合っている訳です.
その場から立ち去るのか、黙って眺めているだけなのか、一緒に行動を起すのか・・・その選択が歴史を、未来をつくっていくことになります。
買い占めやイベントの自粛など一部の過剰反応を心配する声も聞かれます。自分の居場所・立場でいまできることを考え、行動に移していく時です。
ほとんど聞こえてこないことですが、日本の風力発電設備には殆ど被害がなく、電力会社は、風力発電事業者に対して、不足分を少しでも補うために最大限の稼働を要請しているとのことです。
夏や冬の電力の供給不足が避けられないことを鑑み、産業構造やライフスタイルの根本的な転換にまで言及している方もいます。
生きていくことのベースとなる住まいと暮らしのフィールドで我々ができること、暮らしのパッシブデザインを皆さんと一緒に考え、実践していきたいと思います。
「自分のために」と「自分だけのために」は、違うと思います。「自分のために」が「みんなのために」につながる道筋を模索し、なければそういう仕組みをつくっていきたいものです。
閉塞感が漂うこういう時期だからこそ、自然界の関係性から学び、つながる力を最大限に活かして、歩んでいきたいですね。
by hosoda